マリーゴールド

母が庭に花を植えている。今年は少しだけ植えることにしたらしい。小さい体を折り曲げてしゃがむ。足も腰も痛いだろうに、無理はしないでくださいね。

マリーゴールド?と聞くと「むーぎわーらの~帽子のきーみが~」と返事が返ってきた。さすが私よりも最近の曲(マリーゴールドが最近の曲かはさておき)に詳しい母である。

仕事を再開してモニターに向かっている時間が増えたことで、肩こりが復活した。思い返せば高校生のころから肩こりが酷かった。姿勢が原因なんだろうな と思いながら、きっと一生このままだ。

犬と私

デスクに向かって作業をしていると、犬が抗議するように吠える。構われないのが気に入らないらしい。ごめん、でも働かないと。

(本当に本当に働かないといけないか?とも思うが、このまま貯金を食いつぶし、両親からお小遣いをもらうわけにもいかない。やはり働かなければ)

しばらく放っておくと寝息が聞こえてくる。振り向くと、私のベッドに我が物顔で寝転んでいる。かわいい。

寝ていた犬が、ととと、と足元に駆け寄ってきて転がる。少し撫でる。

気が付くと、いつの間にかいなくなっている。スピーカーから聞こえる音が気に入らないらしい。結構神経質だよね(昔飼っていた犬もテレビの音に抗議していた)。

コーヒーを入れて、お供に何かつまもうかな と棚を開けると、どこからともなく現れ、足元でお座りをする。おやつは断念してデスクに戻る。再び、ベッドから私を監視する。寝る。

再び抗議の声。目いっぱい撫でまわす。わかっておくれ。

習慣化するには約3週間かかるという

田舎に戻ってから最近働き始めるまで、約半年、ほとんど何もしていなかった。犬の散歩も、冬の間はまだ元気だった父が行っていた。昼食だけ作っていたか、夕飯は母が作っていた。

朝ゆっくり起きて、NetflixYouTubeを適当に見て、気が向いたら犬と外に行く。昼食をとって、犬にくっついて昼寝をする。気が付いたら夕飯の時間になっている。

そんな日々を約半年続けていた。働いていたころでは考えられないくらい怠惰だねえ と思いながら、ソファやベッドに寝転がり続けた。

昼寝が習慣化されてしまったようだ。昼食後は犬の隣でついつい寝てしまう。背中に額をつけると、短い毛でもふわふわしていて心地よい。

 

今日は昼寝をしないと決めて、昼食後すぐに作業に取り掛かる。習慣化するには3週間ほどかかるらしい。3週間、昼寝をしないと心に誓う。できるだけ。

元恋人からの連絡

週のはじめに、元恋人から連絡が入った。約4年半付き合っていた。

私が実家に戻るのを決めた際に、電話で事情を話して別れた。相談もなしに決めて、直接会いもしないあたり、冷たいな と思う。

少し前の、私の誕生日にも連絡をくれていたが「ありがとう」とだけ送った。

今回は「今日で事務所をやめて転職します」と書いてあった。自由業の人、違う事務所で働くのか、全く異なる仕事をするのか、どちらだろうか と思ったが「お疲れさま、新しい職場でも頑張って」とだけ返信を打つ。

これから新しい場所で、新しい人と出会い、恋もするんだろう。そう考えると少し胸がきゅっとする。

 

その連絡のはじまりの言葉は「ちなみに、」だった。連絡も取り合っていないのに「ちなみに」はおかしいだろう、と思ったが、思うだけにしておいた。

初夏のぬるい風

朝起きて、ご飯も食べずに犬の散歩とブラッシング。動物病院に向かう。車の中では落ち着かない様子だが、吠えたりせずえらい。

運よく空いていて、すぐに診察室。体重が増えていると指摘され、夕食時のささみの量を減らそう……と決めた。

爪切りと、お尻を絞ってもらう。私の顔を、じいっと見つめながら耐えている様子がいじらしい。キミ、そんなにおとなしくできたんだね。いつもは父が連れてきてくれていたから知らなかった。

肉球がカサカサしていて痒そう、と話すと軟膏を出してくれた。すでに使っている肉球クリームは一旦お休み。

先生の、マスクから上、見える肌の綺麗さに、若さが眩しいな と思ってしまう。

 

今年2回目のアイスコーヒーを入れて飲む。

北海道の田舎はまだまだ涼しいと思っていたが、今日は半袖でちょうどいい。いつの間にか、チューリップが散って、ライラックが満開の季節になっていた。

16時過ぎ、犬と散歩をすると、ぬるい風が気持ちよかった。

犬は今、寝ぐずりで騒いでいる。

この約10か月

きょうだいが亡くなった。

仕事を休職して、両親が住む田舎に戻ってきた。

父が倒れた。

東京の勤めていた会社を辞めて、実家で暮らしながら自宅で仕事を始めた。

母には持病がある。万が一があっては困るから友人には会っていない。

極力外出はしない。

毎日行うことは、犬の散歩と、昼と夜のご飯作り。

好きな配信者の配信を見て眠る。

 

どこにでもある日常だけど、日記に残していこうと思った。

今まで日記は続いたことがない。